刑事事件・犯罪被害者

ある日突然逮捕されてしまったら?

日本における刑事事件の総数は認知されているものだけでも200万件以上に上ります。したがって、ある日突然逮捕されてしまうことも、逆に犯罪の被害者になってしまうことも決して珍しくはないのです。

そして、時には警察・検察の誤りにより、えん罪が生まれてしまうこともあります。

一度逮捕されて警察署に入れられてしまうと、自分では何もできません。不当に重い刑を課されないために、弁護士の力に頼ってください。

被疑者段階での対応策

警察署からの身柄解放のための取りうる手段

警察に逮捕されると、多くは23日間(逮捕3日、勾留20日)は警察署に留置されてしまいます。このように長期間拘束されると、会社をクビになってしまうこともあり得ます。

そうならないように、弁護士が活動いたします。

この段階では、被害者との示談を成立させることが特に重要となります。示談が取れた場合は、検察官に交渉して即日解放になるケースも多々あります。

また、刑事訴訟法に規定された手段として、勾留決定に対する準抗告、勾留取り消しにより早期の身柄解放がなされることがあります。

解決例:勾留請求の翌日に被害者との示談を済ませ、身元引受人を確保し、翌日に検察官と交渉した結果、逮捕からわずか4日で釈放されたケース。

接見について

逮捕されると、被疑者とは警察署でした会うことはできません。しかも、被疑者と外部の家族らが会えるのは1回30分程度、共犯事件などではそもそも接見が禁止されてしまうこともあります。

したがって、被疑者と十分に話をすることができ、被疑者の意図を汲んで動いたり、被疑者にアドバイスできるのは弁護士だけです。

示談交渉について

被疑事実を認める場合、もっとも重要なことは被害者と交渉し、示談を勝ち取ることです。そのためには、被害者との交渉が必要となり、民事事件についての知識も必要となります。示談が成立すれば、後日民法上の損害賠償請求されることを回避できます。この示談交渉については、法律を使った交渉のプロである弁護士にお任せ下さい。

被告人になってからの対応策

保釈請求

ひとたび起訴されてしまうと、何もしないでいるとそのまま裁判に行ってしまいます。起訴から裁判が終結するまでは簡単な情状事件でも1か月以上を要するため、その間ずっと身柄を拘束されてしまいます。

長期間の拘束を避けるため、起訴後にできる手段としては保釈請求があります。これが認められると、在宅の状態で裁判に臨めます。保釈請求に関しては専門手知識が必要なため、弁護士にお任せ下さい。

裁判について

裁判に当たっては、検察官が提出してくる証拠の検討、こちらの方での証拠準備、被告人及び証人尋問の用意など、まさに弁護士のプロフェッショナルとしての実力が問われます。否認事件はもちろん、罪を認めている場合でも情状事情の主張の仕方により、下される刑罰が変わってくるため、刑事事件に強い弁護士に依頼すべきです。

裁判員裁判

一定の重大事件においては、裁判員裁判となります。裁判員裁判となった場合、裁判官の他6名の市民裁判員が参加して裁判が行われます。裁判員裁判に当たっては、一般市民にも分かる裁判を目指して、弁護士と検察官と裁判官が何度も打ち合わせを行うことになります。本番の裁判でもわかりやすい資料の作成など、普通の裁判と比べて多大な労力を要します。また、重大事件であるため、とりわけ弁護人も力を使います。

ですので、裁判員裁判の場合の弁護士費用は通常の場合と比べて高額になっていますが、当事務所では裁判事件でも事件の難易度に応じて通常の裁判に近い価格で受任することがあります。

犯罪被害回復のために

被害者参加制度について

殺人や強姦など、一定の事件の被害者及びその親族には裁判に参加して自分の意見を述べる権利が与えられています。犯人がどうしても許せないので、法廷で自分の受けた被害を主張したい、被告人に質問がしたい、真実が知りたい、など裁判に参加したいという声をよく聞きます。そういった被害者の為に、被害者参加を弁護士がサポートいたします。

なお、被害者参加については、法テラスの犯罪被害者法律援助制度を使うことで、低廉な価格で対応できる(申込者が未成年なら原則費用がかかりません)場合がございます。まずは弁護士にご相談ください。

損害賠償命令制度について

刑事裁判の起訴状に記載された犯罪事実に基づいて,その犯罪によって生じた損害の賠償を請求するものです。申立てを受けた刑事裁判所は,刑事事件について有罪の判決があった後,刑事裁判の訴訟記録を証拠として取り調べ,原則として4回以内の審理期日で審理を終わらせて損害賠償命令の申立てについて決定をします。普通の民事裁判と比較して、早期にかつ簡易に損害賠償請求をすることができます。

制度が使える事件は、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、強制わいせつ及び強姦の罪、逮捕及び監禁の罪並びに略取、誘拐及び人身売買の罪等に係る刑事被告事件となります。

民事裁判

刑事裁判とは別個、自分が受けた被害について不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。相手が、警察署に留置されていたり、有罪判決を受けて刑務所に入っている場合でも損害賠償請求は可能です。時効が事件の時(加害者を知ったとき)から3年と短いので、ご注意ください。

少年事件

少年事件については、成人と異なり子どもの今後の成育のことを考慮にいれた特別の手続きが採られます。真に今後の子供の成育のことを考えてくれる弁護士に依頼されることを勧めます。

観護措置を採られないために

少年事件の場合、通常の刑事事件と同様に逮捕されて勾留された後、少年審判の日まで観護措置として少年鑑別所に最大28日まで入れられることがあります。

子どもが逮捕から1か月以上も外に出れないと、進級試験や高校・大学入試、就職面接などが受けられず、将来に大きな影響を及ぼしかねません。

そこで、弁護士に依頼して観護措置が採られないように動いてもらう手段を検討してもらうことが必要となります。

少年審判に向けて

少年事件では裁判とは異なる少年審判という家庭裁判所の手続きにより処分がくだされます。

不処分や審判不開始により何らの処分がくだらない場合もありますが、多くは保護観察か少年院送致となります。

少年院送致になった場合、子どもの進学や就職が極めて困難となります。少年院送致を避けるためには子どもが事件のことを十分に反省し、環境が整っていて再犯のおそれがないことを家庭裁判所調査官や裁判所に理解してもらわなければなりません。通常の刑事事件とは別の考慮が必要なので、少年事件の経験がある弁護士に依頼されることを勧めます。